なぜバブルは崩壊したのかなぜバブルは崩壊したのか

膨らみ続けたバブルは、いつかははじけてしまいます。バブル崩壊後は、様々な要因で回復に時間がかかることになりました。バブルがはじけた要因とは何だったのか、回復に時間がかかった理由についてお話しします。

引き金となった総量規制

ルーブル合意

総量規制とは、大蔵省銀行局からの通達として1990年3月末に出されたもので、「土地関連融資の抑制について」の中に含まれる内容の1つです。全国の金融機関は、四半期ごとの不動産業界向けの融資残高を、貸出残高全体以下の伸び率に抑えることが義務づけられました。これによって、土地を担保にした融資の拡大を抑えようというものになります。これにより、地価高騰は本格的に抑えられることになりました。しかしこれはバブル崩壊の引き金になってしまったといわれています。

「土地関連融資の抑制について」の内容とは?

  • 不動産向け融資の伸び率を貸出残高全体以下の伸び率に抑えること→総量規制
  • 不動産業、建設行、ノンバンク(住専服務)に対する融資の実態報告を求める→三業種規制

※ノンバンク=消費者金融のこと。銀行ではないという意味。

不動産向け融資は、住宅金融専門会社(住専)を対象とせず、また農協系金融機関は対象外としたため、農協系から住宅金融専門会社、そして不動産投資へと資金が流れることになりました。その結果、住宅金融専門会社の不良債権問題悪化へとつながりました。

BIS規制

国際決行銀行(Bank for International Settlements=BIS)は、中央銀行同士の通貨の売買や預金の受け入れなどを行っている組織です。最近は、先進国各国の銀行に一定以上の自己資本を保有することを求めたBIS規制が定められました。自己資本規制を国際的に統一したもので、自由化を再規制のバランスと目的としています。国際業務を行う場合は、8%以上の自己資本比率が必要で、これに満たない銀行は、国際業務が禁止されています。日本では1992年度末から本格的に適用されることになっていましたが、不良債権処理によって自己資本比率が減少し、銀行はお金を貸さなくなり、それによって企業の資金繰りが難しくなるとされています。けれど、BIS規制が不景気に陥った原因としては小さかったという見方もあります。また、BIS規制を見直し、金融機関のリスクを反映させた、新BIS規制が2007年3月から施行されています。

不良債権の処理

銀行の貸し渋りによって、経営が難しくなった企業も出てきました。回収できなくなった債権はどのように処理されるのでしょうか。

債権とは?

  • 債権…お金を貸して、請求する権利をいいます。
  • 債務…銀行に返すお金をいいます。
【例】
銀行から1.000万円のお金を借りた場合、借りた人は1.000万円の債務を、貸した銀行は1.000万円の債権を持つことになります。

不良債権とは?

不良債権とは負債の金利や元本の返済が滞ることをいいます。景気が回復して企業も上向きになれば返済できるのですが、バブル崩壊によって返済できない企業が増えてしまいました。不良債権にはその度合いによって正常債権(不良債権に含まれません)・要管理債権・危険債権・破産更生があります。不良債権を処理するには、貸倒引当金と呼ばれるお金(返済不能に備えるお金)を積み立てたり、あきらめる方法(損金算入)があります。

【例】

バブルのとき(1988)

  1. (債権者)銀行→(債務者)企業【担保】土地+ビルで数億円
  2. 担保があるので、お金を貸す。
  3. バブルがはじける

バブル崩壊後(1993)

  1. (債権者)銀行←(債務者)企業【担保】土地+ビルで数千万円
  2. 担保があっても返してもらえない。

住専破綻

住宅金融専門会社(住専)とは、住宅資金需要にこたえて設立しました。しかし、バブル期の前後には住宅ローンより不動産事業に傾きました。有良な債権を銀行が独占したため、住専は不動産に傾いていくしかなかったとの見方もあります。バブル崩壊後は、不良債権が増加し、住専8社のうち1社が破綻しました。破綻を免れた1社というのは、早々に不動産関連融資から手を引いていたことで破綻を免れたんですね。

消費税導入も要因!?

1997年4月、橋本首相により、消費税が3%から5%に引き上げられました。消費税が上がることで、消費が落ち込み、回復傾向にあった景気がふたたび景気が落ち込むという失敗をしたのです。ただし、これは消費税増税だけでなく、物価そのものが高くなることで消費者が不用品の消費を抑えようという心理になることも考えられます。

アジア通貨危機

1997年4月、アジア各国の通貨が急激に下落しました。これにより、タイ・インドネシア・韓国では大きな打撃を受けました。日本では融資が焦げ付き、緊急財政とタイミングが重なり、1998年には大きなマイナスになりました。1999年2月からゼロ金利政策を行っていたのですが、混乱が収まった2000年8月には解除しています。しかし2001年3月にはアメリカのITバブルの影響を受けて、再び元に戻す(量的緩和政策)になります。ですから、バブル崩壊から回復まで時間がかかっているのは、複数の要因が重なったからなんですね。

詳しくは「近代バブル」へ

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